茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

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役者が上

中二のいっとき。
授業中にしょうもない冗談メモをやりとりするという悪ふざけが麻疹の如く流行った。
先生が板書している隙に手早く回すあれだ。
少しでもニヤついた表情を見せようものなら大雷を落とす恐怖先生の時間など特に、
相手に大きな我慢を強いるべくより笑える文を書こうと、みな馬鹿知恵を絞った。
全くええかげんにせんかい、なクソガキどもである。

佐藤君(註:仮名)は、意地悪でもひねくれ者でもないが、ひどく無口で沈着な少年。
左門豊作を思わせる風貌で、パッパラ騒ぐ同級生を尻目にいつも落ち着き払っていた。

動機も内容もすっかり忘れたが、挨拶以外滅多に口をきいたことのない佐藤君に、
何故か冗談メモを送ったことがある。
彼はちらり一瞥した後、常と変わらぬむっつり顔で面倒臭そうに机の中へ放り込んだ。
あまりの佐藤君らしさにむしろ感心したものだ。

ところが、数日後の恐怖先生の時間、意外なことに佐藤君からメモが回ってきた。
“きすけへ”と書かれた紙をびっくらこきつつ開くと、たった四文字、
「なんにも」

結果、私は、先生から最大級の見幕で怒鳴られることとなった。


この佐藤君と、社会人になってから京都でひょっこり再会。
ひとり龍安寺の庭園を拝観しており、あまりの佐藤君らしさにやはり感心した。

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