茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

Pさんのこと

先日、料理研究家の小林カツ代さんが亡くなられた。
洒落た食材や凝った調味料など不要、普通にあるものでさっと拵えられる小林さんのレシピに、
新婚時代からどれだけお世話になったろう。
昔求めた三冊の著書も、ずっと参考にし続けてきた大事な宝物だ。


ところで。
十余年前、家にパソコンがやって来、ネットの世界を知って後は、料理をするにあたっても、
わからないことがありゃぱぱっと検索、ハイ解決、ってなもんで、あほほど便利になった。
そうして出会い、お気に入りに登録した四ケ所のレシピブログは、まことにありがたい存在。
以前に書いた憶えがあるけれど、高名な『おっさんひとり飯』さんなどエッセイとしても魅力的だ。

その四ヶ所の中の一つにPさんという方のブログも含まれている。
ランキングで上位になるわけでもなく、また、詳細な作り方とて載っていない。
私と同学年の方ではないかと思われるのだが、毎日作った家庭の料理を実に淡々と紹介し、
御家族四人&ねこ・わんことの暮らしをやはり淡々と綴っておられた。
人気ブロガーさんだと既に著書を出したり料理のイベント等に招かれて活躍している方も多く、
料理写真ひとつとっても特別な照明を当てたり角度を考えたりと玄人はだしの演出だ。
しかし、Pさんは、そりゃ私なんかよりはうんと上手に決まっているが、失礼ながら素人の写真、
そう、熱いものはほこほこ熱く、冷たいものはきりり冷たいまま供するため、急いで撮った写真、
主婦の、おかあさんの、家族を思う心が宿り、時にブレてはいても胸にしみこむ写真だった。


昨十月上旬。
いつものように食欲をそそる料理の紹介とおうちの模様を書かれた後、

「しばらく遠出しますので、少しの間ブログをお休みします」
と、あった。
度々開いてもなかなか更新されぬため、きっとお忙しいのだな、と、七~十日置きぐらいに覗き、
のんびりと待った、お会いできるのをたのしみに。

そして、新年。
記事の更新があった。
「Pは病で亡くなりました。
 
気丈な母でした。
 
御愛読下さり、ありがとうございました」
という、娘さんの文。
目の前が、真っ暗になった。

Pさん。
毎年少々健診結果の数値が気になる旦那様や、お仕事上食事が不規則になりがちな娘さん、
新社会人の息子さんのため、せっせと野菜料理を工夫してらしたPさん。
長らくブログを拝見しながら、コメントすら書き込むこともできず、お別れとなってしまったPさん。

悲しかった、ただただ悲しかった。

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