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茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

禁句

古くからおっさんがお世話になっている方のお父上が亡くなられた。
ビジネスを飛び越えて何かと温かなお心遣いを頂き、また、奥様までもが私ごときを気にかけ、
折々に親身なお電話を下さる。
昨日の葬儀には私も参列した。

九十で天寿を全うされたため、悲嘆の漂わぬ穏やかなお式。
御親族なのか、やはりかなりのお歳と見受けられるおばあちゃま方など、
「まあ、おめでた葬礼やわな」
さばさばと笑ってらっしゃる。
集まった方々が喪主さんに寄せる挨拶も、“御高齢だから”的な言葉が殆どのようであった。

けれど、この“御高齢だから”的な言葉、私は絶対口にすまいと、二十五年近く守ってきた。
実家の祖父が八十三歳で亡くなった際、やはりそう仰る皆さんに頭を下げて話を合わせつつ、
胸中では、
「たとえ高齢でも、やだよ…」
力なくそう言い返していたからだ。
大好きなおじいちゃん。
頑固な明治男ながら、武骨に可愛がってくれたおじいちゃん。
もうこの顔を見られなくなっちゃうなんて、小さなお骨になっちゃうなんて、やだよ…、と。

親族は、あきらめの形で気持ちを紛らわすべく、そのような言葉を発する。
が、他人より聞かされると、悪気のかけらもない純粋な慰めだけに、却って冷たく響いてしまう。

自身も歳を重ねようが、順当なこととして涙を見せず送ろうが、身内を失うのは、悲しい。
心の奥にはどうしようもなく大きな穴がぽっかりと開いている。

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