茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

右一段目の抽斗

実家より共に嫁し、今なおうちの和室で私を頼もしく支えてくれる、樺材の頑丈な文机。

むかーし昔の大昔、ほんのいっときだけその上に、好きなひとの写真を置いていたことがある。
それこそポニーテールに水玉のリボンなどあしらい、愛嬌のない顔をごまかそうとしていた、
ムスメ時分の話だ。

んでさあ、片思いだったかのひとが笑む写真立てに、当初は、
「おはよう」
「じゃ、消灯、おやすみなさい」
とか、へらへら声をかけたりしてたのな、おめでたく(いやもう、鳥肌もんのきしょさやで、ぶるる)。

が、数日経つと、だんだん居心地が悪くなってきた、自分の部屋なのに。
何しろ、立膝をつくのも憚られ、また、着替えの際なんか、いちいち写真立てを伏せねばならん。
その程度のことならまだいい。
問題なのは、生理現象である。
あくび・くしゃみは豪快にやっちまうし、トーゼン屁もひるわけで、伏せ忘れたことに気付いては、
「げっ、どうしよう」
と、赤面。
てか、屁の場合、たとえしっかり伏せていてもひどく恥ずかしいではないか。
結局、半月くらいでその写真立てを文机の右一段目の抽斗の中にしまった。



おそろしく歳月の流れた現在。
相変わらずな私は、芸能人、スポーツ人、その他人、“わ、ぽっ”な人だらけである。
それゆえに、やはり、赤面してしまう。
好きなひとの写真立てを、右一段目の抽斗の中で大事に飾るという、変な癖が残った自分に。

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