茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

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先月の、或るクソ暑い午後のこと。

家のそばの自販機の横に、ビニール製のカード入れらしき物が落ちていた。
財布ならば中身など改めず即交番へ届けるのだが、如何せん初めから透けている。
拾い上げた瞬間、表面に見える歯科の診察券により持ち主がわかってしまった。
以前、地区の役員になった際一緒だった、少し年上の方である。
わりと珍しい氏名ゆえ間違いない。

で。
煩瑣な手続きを考えりゃ、わざわざ交番を介すまでもなく、直接届けたほうがお互いラク、
そう思って歩き出したものの、足取りは些か重い。

御本人は、至って気さくな親しみやすいお人柄、すごく好きだ。
けれど、地元の旧家の奥さんでおいでるため、お住まいは、古い蔵なども残る立派な邸宅。
妙に緊張するんだよな、これが。

実際、役員当時、書類の受け渡し等で何度かお邪魔する度、戸惑った。
まず、門の呼び鈴を押して敷地内に入ることを知らせ、広い庭を敷石伝いに突っ切った後、
再度玄関でインターホンを鳴らすんだが、その間が長い。
悪事を企んでいるわけでもないのに、何故か落ち着きを失う。

いっそ呼び鈴を鳴らすより、門の前に仁王立ちして、
「たのもーう!」
とでも声を張り上げてみましょか。
いやいや、いかん…ここはおとなしく普通の手順で庭へ。

玄関のインターホンではすぐ返事があり、ほっとするも、今度は大きな引き戸が開いた途端、
発作的に
「おひかえなすって」
とか構えてしまいそうな不安を覚えつつ、出て来られるのを待つ。
ええ、やはりここもおとなしく普通に挨拶しましたよ。


ま、なんだかんだ大袈裟なことを言ってもスムーズに落とし物をお渡しでき、
「助かったわー、ありがとうねー」
申し訳なさそうにおっしゃる奥さんと、お久しぶりです、な立ち話をした後、辞したわけなんだが、
その頃には先程のおどおどっぷりもどこへやら、ゆったり庭木・蹲・灯籠等を眺める変わりよう。

行きは不法侵入者の心地、帰りは邸宅関係者の如き態度で門をくぐる、小人なのであった。

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