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茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

風薫る五月

田植えプラス同窓会でおとんは不在、でも、明日には帰ってくる。
「今年もまたお疲れさまです」
殊勝な言をひとりごちても、自身は一滴の汗水とて流さずヘラヘラしておるわけで。
お気楽過ぎますな、堪忍堪忍。

お気楽ついでに爪でも綺麗にしてみようか、と、マニキュアの瓶を探したのだが、おいおい、
コテコテに固まっとるやんか、使い物にならへん。
『 ♪ つンめーも染めずにいてくれと 女が後から泣けるよなー 』
懐かしの中条きよしなど口ずさみながら、
「こりゃあかんわ。
 マニキュアの一本くらい買ってこやんと、そのうち本当にヒゲとか生えてくるかもしれん」
めっさおっさん臭い自分が可笑しくて、静かな家の中でひとりクスクス。



実家の母親はやたら面白がりな人間。
私のちょっとした冗談にもすぐに反応し、笑い転げたものである、ときに涙までも滲ませ。
そして、丸顔で小柄な母親と瓜二つである姉は、そういう明るい性格もまるごと受け継いだよう、
大変なおゲラさんだ。
それに比して私は、尖り顔で大柄で、暗いとは思わんけど明るいとも言えん性格。
だが、こんな私であっても、やっぱり少しは母親の血が流れているのかな…。
ふとそんなことを感じ、何だか楽しくなった。

身内褒めってのはあんまりみっともいいことじゃないけれど、私は、ノーテンキな母親や姉に、
「ペコちゃんみたいな下膨れの顔して、あの人ら、女の中の女だな」
いつもいつも胸の内で感服していた。
恥ずかしながら、素敵だな、と見惚れるときさえあった。
だって、いつもいつも、あったかいんだもん、あの人らの笑顔って。



思う。
私は、そんなあったかさを、おとんや伜をはじめとする愛しい人々に向けてきただろうか。
否、である。
好きで好きでしょうがなくとも、好きという感情を自身の内に蓄積してきただけのこと。
私は、私が笑いたいときだけ、笑っていた。
好きで好きでしょうがなくとも、その人に向ける気持ちは、ちっともあったかくなかった。
私は、私の愛しい人々に対してだって、自身が覚えるあったかさばかりを大事にしていた。

で。
他の動物と違い、笑顔という表情を顕せるヒトとして生まれたんだから、笑わなきゃいかんな、
珍しく優等生発言なんかしちゃったりして。

五月って、なんか、いいな。

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