茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

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ハナクソの教え

大昔、会社勤めをしていた若い頃のこと。

ちょっとした問題が発生し遅くなった帰りの地下鉄車内は空いていた。

同じ駅から乗り、向かいのロングシートの端に座った中年男性。
髪は七三、営業スーツにネクタイをきちんと締めた真面目そうな形姿で、酔っている風もない。

にも関わらず、いきなりハナクソをほじりだした。
よほど頑固に貼り付いているのか、親指と人差し指で穴の内外をぐいぐいと挟むようにし、
夢中で作業に勤しんでいる。

げげげ…と引きながらもつい上目遣いに様子を窺っていたら、めでたく取れたよう。
今度はじっと人差し指を見つめる。

「わっ、どこかへ飛ばすつもりだろうか」
思わず身構えた途端、視線がぶつかった。
男性は少し困ったような表情を浮かべ、その人差し指を再び穴に。
そう、ハナクソを鼻の中に戻し入れたのである。

ぴんと弾く瞬間を目撃するよりも強い緊張感が走った。
が、男性は次の駅で降りていった。

「世間ってものは広い、世の中には本当にいろいろな人がいる」
私は魂が抜けたような心地でその背中を見送った。

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コメント


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立派な方ですね。
ゴミは持ち帰ろうの精神なんですね。

りょう | URL | 2010-02-02(Tue)17:20 [編集]


りょうさん

はい、苦労してゴミを出そうとする人間味あふれる姿にも、それをまた身の内に戻すという物堅さにも、たいへん感銘を受けました。
今でも何故か自分の鼻の穴にまでヒヤリとした感触が伝わってくるようです。

きすけ | URL | 2010-02-02(Tue)18:54 [編集]


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