茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

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鰤大根

ちっちゃなころ、伜は、おかあさんっ子であった。
ベランダで洗濯物を干していたりトイレに入っていたりでちょっと姿が見えぬだけで、
「おかあさーん」
不安げに呼んだ。

そのくせ、
「ぼくな、大きぃなったらな、カクレンジャーになんねん。
 悪い奴なんかやっつけてな、おかあさんを守ったるんや!」
などと気炎をあげる。

「わあ、うれしいわあ。
 んじゃ、おだいことお魚を煮たのも嫌がらずに食べて強うなってな」
ぎゅうっと抱きしめると、ふにゃあ、みたいな声を出して胸に顔をこすりつけた。

古くから、
『子は三歳までに一生分の親孝行をする』
と言い習わされているが、まったくだ、と思う。
誰がこんなに自分を必要としてくれるだろう。
誰がこんなに心とろかすような言葉をくれるだろう。
三歳よりも長い五歳くらいまでの間、そんな甘い生活が続いた。

そのうち、母親より友だちのほうが大事になっていった。
そして、反抗期も普通に来た。
高校受験と重なっていたので結構厄介だったが、カリカリする反面、
「まあ、当然のことなんやろなあ」
てな気はした。
彼を生んだのは私だけど、彼は私のものじゃない。
また、確かに彼を愛してはいるけど、ただ愛しているってだけ。
なんにも出来ない母親だった。
なんの手本にもならない母親だった。

少し前に頂いたコメントへのご返事で、
「お金はやれんが、自由はやる」
伜にこう伝えてある、と申し上げた。
誰があんなに自分を必要としてくれただろう。
誰があんなに心とろかすような言葉をくれただろう。
彼があまり好きでなかった鰤大根をコトコト炊きながら、かつての甘い生活を思い出し、
もうじゅうぶんだよ、と呟いてみる。

うは、かなりの強がりが入ってんな、よろしく哀愁。

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