茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

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お盆

「今、自動車教習所に通っとるし、何やかんや忙しいんで帰れんかもしれん」
と言って寄こしていた伜だが、十三日に連絡もせずいきなり帰って来、三泊していった。

「こっちにも布団干しといたり色々用意があるよって、来るなら来るで予め電話してきぃな」
まずはお約束である文句つけに
「そこはそれ、思い立ったが吉日やて」
ノーテンキな返事。
でもさ、早めにわかってりゃ、遠足とかと一緒で“あと何日”と待つ間も嬉しいだろが…ばか。

十四・十五日と墓参のため久方ぶりに双方の実家へ顔を出した伜は、
「んまあー、あーんた、まーたおおきなってー、見とるだけで首が疲れてくるがねー」
「あんた、背ぇばっか高ぉなって、知恵はちゃんと回っとんのか」
そんな言葉を皮切りに、連日どっちの祖母にもあれこれくどくど突っ込まれておった。
代わりにそれぞれからちゃっかり小遣いもせしめてやがったけどな。

十六日、駅へ送りついでに昼食をとろうと地元じゃ評判の鰻屋さんへ寄った。
も、食うわ食うわ、
「うまっ!」
あごにご飯粒をつけ、幼稚園児みたいに無邪気な顔でかっこむ。
腕を伸ばしてそのご飯粒をつまみ取り、自分の口に入れたら、
「まったく…」
とでも言いたげに笑うおとんと目が合い、ちょっとだけむっとした。

態々お金を遣い、下宿生活をさせているからと言って、伜は有名大学に進んだわけじゃない。
私がそうであったように、凡庸に過ぎるアタマの持ち主だ。
だが、こういうべたべたしたところのあるあほな母親から解放してやらねばならぬ、とだけは、
結構早いうちから考えていた。

おのれがあほだってことに何か意味があるとするならば、ひとりでそれを味わっていたい。
誰にも邪魔されず、ひとりで笑ったりしおれたりしていたい。
たまーに元気な顔を見せてくれたら、それでいい。
ちゃんと本気でそう思っている。
なのに、駅の階段を上がっていく後ろ姿には、まだ少し慣れられない。

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