茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

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電話

マスクパニックこそいっときで沈静化したが、新型インフルの感染はじわじわ拡がっており、
対応に苦慮している地も多いことと拝察する。

私も先月半ば過ぎからは、離れて暮らす伜が気懸りでやたらやきもきしたりどんよりしたり、
落ち着かぬ日々を送った。
花粉の時季に備え安いときにどさっと買溜めしてあった気休めのマスクを一応荷造りしつつ、
「毎日顔が見られぬというのは、こういうことなのか」
と、つくづく思い知ったのである。

無論、このように面倒な心持ちも、一種の通過儀礼みたいなもんだとは十分承知している。
だが、ついでにまたメニエル氏が憑依(?)、余計鬱々と引きこもる破目になった。
今は楽天やスーパーの宅配サービスにより日々の食材さえあちら様から来てくれる時代だし、
実際にここ数年ちょくちょく助けられているものの、今回は眩暈と共に難聴のほうも些か強く、
滅入り方が本格的。
マンションの玄関ホールへ郵便物を取りに行ったり、表へゴミ出しに行くことも億劫ってか、
人との会話を避けたくて仕方ない、声が聴き取りにくいため電話に出るのも苦痛だった。

しかしまあ私ゃ、仏様の如く寛容なおとんにてれーんとぶら下がって温々生きておるわけで、
苦労なんかこれっぽっちもしちゃいない。
単に家の中でくすぶっているというだけの話である、考えようによっては全くいい御身分だ。


ずいぶん回復した六日の土曜日。
おとんが出張中なんでいつもどおり暇、中断した裁縫に再びのんびりと取り掛かっていたら、
「その後は大丈夫なんか?」
伜から電話が。
上で述べたように聴き取りに難があるため、用事の際はおとんの携帯へ電話するように、と、
先に伝えて貰っていたし、第一、しょっちゅう寝込むだらしない母親には慣れっこの筈なんで、
大体の頃合いを計ってかけてきたんだろうが、
「うん、いつものやつや、もうだいぶようなったよ」
と答えても、
「けど、無理せんといてな、おかん。
 離れとるとえらい心配になるしの、ほんま、大事にしてくれなあかんぞ。
 おとんにも、身体に気ぃつけて、て言うといてや」
やけに優しくしみじみした口調でものを言われ、何だか急に年寄になった気がした。

翌夕、出張から帰ったおとんに、伜より電話アリ、これこれこうで斯斯然然とか言うとってなぁ、
心配かけて情けないやら、んでも一寸面白いやら(はい、クソババアです)、てなことを話した。
おとんは、
「よかよか、今のうちにぎょうさん心配させといたれ」
にまっと笑う。
「好きな娘でも出来てみ、今度はそっちにかかりっきりやわ、うむ、ほんま今のうち今のうち」
だと。
考えてみればこの人も、次男坊とは言え十八歳からずっとよそへ出ているんだったなあ。

つい、
「田植え以来会うてへんことやし、伊勢のばあやんに電話でもしてみたらどう?」
などと、殊勝な気分になった。

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