茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

Y子のよそ見

小学六年生の頃、えらく同級生に嫌われてしまったことがある。
事の発端は帰りのホームルームだった。

『今日の反省』で、女子のまとめ役的存在であるY子が、
「Z美さんは授業中にきょろきょろよそ見ばかりしています。
 直したほうがいいと思います」
と発言。
クスクス同調の笑いも起こり、Z美は顔を真っ赤にしてただ俯いていた。

私は人前ではきはきものを言えるタイプの子どもではなかった。
だが、このときはさっと手を挙げ、言っていた。
「Z美さんがきょろきょろよそ見していることがわかったのは、
 Y子さんもZ美さんの方をよそ見していたからじゃないですか?」
Z美への義侠心からではなく、単にソボクな疑問をひょいと口にしたのだった。
だって、Z美の席はY子の斜め後方にあるじゃん、てなもんで。

教室内がしーんとなって初めて、あ、まずかったかも、と思ったが、時既に遅し。
誰一人として次の発言を切り出す者はなく、暫く空気が凍りついてしまった。
結局、先生の“各自が気をつけましょう”といった平面的な言葉で話が終わった。

元々特に親しかったわけではないが、Y子はその後二度と話しかけてこなくなった。


Y子のよそ見に似た矛盾は、主婦の世界じゃマルフクの看板みたいに頻出する。
○○さんったら人の陰口ばかり言ってて最低、という陰口を言う、とか。
あなたを遠くからそっと見守っているわ、としょっちゅう表立って告げに行く、とか。
自分は控え目な人間だと誇らしげにアピールする、とか。
お、そろそろ出るぞ、などとむしろ心待ちにしちゃうようなクソババアになった今、
私ももうちょっと言い方ってもんがあったよな、とY子に対して申し訳なく思う。

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