グルメとは程遠いど庶民なので、食べ物に文句を言うことはあまりない。
しょっちゅう食卓に上る鰺の開きもスーパーに並んでいるもので十分、
ああ、ひものだなあ、と思いながらつついている。
それでも、秋刀魚の開きは新婚当時買ったきり手を出していなかった。
秋刀魚自体は旬になると頻繁に食べる大好物だが、あのじゅわーっとくる旨い脂が、
ひものになるとひねた臭いになって鼻に付き、どうも苦手なのだ。
二、三年前、久々に買ってみたがやはり駄目、おとんもぼうずも揃って残してしまう。
開いて広くし日に当てたというのにうちじゃ秋刀魚の開きは肩身の狭い日蔭者だった。
そんな印象をがらりと変えたのが、紀州は雑賀崎の秋刀魚の開き。
箱を開けた途端、姿からしてぴかぴかときれいなひものが現れ、わ、うまそー。
灰干しという製法だそうで、脂の臭味が全く感じられず、そのまま旨味になっている。
塩加減もほどよく、大根おろしを添え二枚も食べてしまったわい。
鰺の開きもあるが、スーパーの物とは格段の差、ああ、ひものだなあ、ではなく、
ああ、ひものっておいしいなあ、と思いながらどんどんつついた。
手のかかった品とは言え、目玉が飛び出るような値段ではないのがひものの良さ、
刺身以外の魚にはなーんだといった顔をしやがるぼうずでさえ積極的に食べるので、
送料も仕方ないであろう、冷凍しておけば日持ちするのも重宝だ。
興味のある方は『紀州 灰干し さんま』で検索してみて下さい。
味の好みくらい人それぞれなものもないんで保証はしませんが。