登校するぼうずが玄関先で、
「♪ぼくの先生はー 単なるおじいさんー」
などと歌いつつ出ていったので、先生には申し訳ないもののついプッ。
何で昔懐かしい『熱中時代(教師編)』の歌を知ってんだ、と首を傾げたが、
よく考えたら『世界一受けたい授業』のテーマソングになってるんだった。
『熱中時代』といえば水谷豊。
彼は脱皮の人だなあと思う。
否、着こなしの人と言うべきか、役という衣を自分の皮膚にしてしまうような。
現在はやはり『相棒』の杉下右京としてぱっと浮かんでくるのだが、
古くは『傷だらけの天使』のアキラであった。
(本当は『バンパイヤ』のトッペイだったことも朧げに覚えていたりする。
ついでながら、時代劇の誠実なお店者役等でお馴染みの三ツ木清隆は、
『光速エスパー』のヒカル少年ね、で、江木俊夫は…ま、いっか)。
『傷だらけ…』は本放送でなく中学生になってから再放送で観た。
音楽も含めやたらかっこいいドラマで、どことなく虚無のにおいがする中、
リーゼントにサテンのスカジャンといういでたちのちんぴら・アキラは、
半端で薄っぺらい青年の物哀しさを漂わせ、ウエットな余情も残した。
あの“アニキぃー”という声と共に、捨てられた仔犬のような目が蘇る。
が、水谷豊は高校生当時始まった『熱中時代』で全くの別人に様変わりした。
実は、冒頭の教師編は第一・第二シリーズ共あまり熱心に観ていない。
ゆえに私の場合、『熱中時代』=刑事編の早野武という図式なのだが、
ほのぼのした世界で爽やかな青年になりきっており、これはこれでハマった。
主題歌の『カリフォルニア・コネクション』も結構好きだ。
心地良い軽みがオープニング映像に登場する黄色のスバル360とマッチ、
水谷がどこでひょいひょいと腕を伸ばすかまではっきり思い出せてしまう。
相手役のミッキー・マッケンジーは何だかごっつい外人さんだと思ったが、
「タケイシィー」
という呼び掛けかたはとても可愛いかった。
水谷豊について“役という衣を自分の皮膚にしてしまうような”と述べたが、
ミッキー、蘭ちゃんと、共演者を妻としたところにも窺えるのではないか。
斜めにプライドの高い『相棒』の杉下右京を長く観続けたいと願う反面、
十年二十年先、どんな爺さんを演じてくれるのだろうと楽しみにも思う。