ボンクラ主婦きすけの気ままな日記
父親が好んだ影響で、小さな頃から高校野球に馴染んでいた。
太田幸司の甘いマスクをぼんやり覚えているという相当古い人間なのだが、
生まれて初めて本格的に熱を上げた有名人もやはり高校球児。
定岡正二…当時、鹿児島実業高のエースピッチャーであった。
今となってはなかなかに痛い過去だ。

ドキドキこっそりお手紙を出したのはいいが、切手の貼り忘れで舞い戻り、
それを受け取った姉、さらには家族全員からさんざん馬鹿にされたという、
思い出す度そこらを走り回りたくなるようなエピが余計痛みを助長する。

サンリオPatty&Jimmy柄のレターだぞ。
しかも、学校宛に送るしかないんで、
「どうか定岡さんのもとへ届きますように☆」
などど、緑色のインクで乙女の祈りを表書きしてあるんだぞ。

うわあああ!

ただ、その定岡が名を上げた56回大会(S49)の鹿実×東海大相模戦、
延長153時間38分のゲームは、球史に残る名勝負であったと思う。
取られたらまた取り返す、カクテル光線下の熱闘。
見入る者の思いをよそに非情にも途中でTV中継が終わってしまい、
父親と二人、怒り狂いつつ飯も食わずラジオの前で手に汗握っていたが、
私にとってあれは、高校野球というものに魂まで奪われた最初の経験だ。
定岡のみならず、原辰徳、津末英明、村中秀人等々、
思えば錚々たる選手たちが躍動する舞台に酔いしれていたのである。


それにしても、今騒がれている特待制度問題には首を傾げてしまう。
野球に秀でている子どもが他のスポーツ同様特待制度を受ける、
うむ、結構なことではないか、としか思えないんだよなあ。
プロ野球裏金問題の煽りを食ったようなもんなんだろうが、
長年放置しておいて突然ばっさりとは、ちと恥ずかしくないか、高野連。
第一、真に憲章を尊び、遵守を求める崇高な精神があるならば、
これまでにも善処を促す地道な取り組みが行われていたはずだ。
何だか釈然としない話である。

またまた『全員集合』関連のネタ。

’70
年代の終わり頃、私は高校生だった。
そんな年齢ともなれば『全員集合』への興味も薄れてきそうなものだが、
当時の高校生は案外喜んで観ていたように思う。

実際、沢山のアイドルが登場し、馬鹿やったりするのが楽しかった。
のちに“普通の女の子に戻りたい”と解散したキャンディーズも、
現実には無論普通の女の子の生活などできなかったろうが、
『全員集合』のレギュラーとして、高値の花のお人形さん風でなく、
可愛いくせに面白いという普通の女の子的な魅力を振りまいていた。

新御三家や中三トリオ(何年も忘れていた呼称だ)、沢田研二等々、
ゲストたちもそれぞれに“意外と剽げた一面”てのを見せてくれたが、
中でも特に好きだったのは桜田淳子である。
志村けんとの新婚夫婦コントは傑作だった。


サラリーマンらしき夫・志村の帰宅を嬉々として迎える新妻・淳子。
が、いそいそした様子とは裏腹に、やることなすこと間が抜けている。
「お風呂になさいますか、お食事になさいますか?」
そう訊いておきながら、風呂との答えに対し、今から支度を始めるてな具合。

「おいおい、何やってんだよ…」
志村がたしなめると突然舞台が暗くなり、悲愴な音楽が流れる。
「私って、駄目な女ね、あなたの妻にふさわしくないんだわ」
ピンスポットライトの中でへたり込み、身も世もなく嘆く淳子。
「わかったよ、言い過ぎたよ、俺が悪かったよ」
慌ててなだめにかかる志村。

淳:「でも、私のことなんか嫌いになったんでしょ?」
志:「そんなことないよ(大汗)
淳:「じゃあ、私のこと、愛してる?」
志:「ああ、愛してる、愛してるよ」
淳:「本当?」

すっくと立ち上がる淳子。
再び照明が戻り、希望に満ちた明るい音楽が流れる。
世界はなんて素晴らしいんだろうとでもいうように手を広げ、宣言。
「淳子、負けない!」
やれやれと脱力する志村。

気を取り直して食事を望めば、風呂同様今から支度を始めるところ、
ならばとビールを望めば、やはり今から冷やすという有様。
その度毎に上記のどーんと暗くなったりぱーっと明るくなったりが繰り返され、
最後は志村の
「けん子、負けない!」
という追い詰められたように自棄っぱちな台詞で幕となる。


この懐かしいコント、実はしょっちゅう思い出す。
新妻・淳子と同じようなことをやってる人間が結構いるからであろう。
夫婦・恋人間だけでなく、親子兄弟、上司と部下、友人知人その他、
どんな関係においても。
やたら自分を責め、悲しみを強調することで相手にダメージを与える。
で、結局は自分の思い通りに事を運び、“明るく健気な私”に戻る。
あはは、単なるネット上のやりとりにおいてさえも時々見かけるではないか。


桜田淳子は表現力豊かで才能に溢れた人だった。
独特の話し方・歌い方がわざとらしい、鼻につく、と嫌う向きもいたが、
(
殊に女性、山口百恵のほうがうんとウケが良かった)
彼女が一流の芸能人であったことはこのコントからだけでも証明されよう。
宗教に足を取られて姿を消してしまったのは返す返すも残念である。


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