茅屋雑記帳

ボンクラ主婦きすけの気ままな日記

続・やりとり

その伜、翌五月一日は仕事だってんで、珍しく晩のうちに帰宅。

あたしら夫婦はちょうど『次代に残したい曲100選』だったかの懐メロ番組を観ており、

婆:「あーこの曲が流行ったときこんなことがあったねえ」

おっさん:「うむ、今思えばええ時代やったな」
それまではしんみり静かに過去を振り返っていたのだが、雰囲気一変。

奴がいるとどういうわけだかおとなしくしていた私のツッコミ癖が頭をもたげてしまうのだ。

 

神田川

【 ♪ 二人で行った横丁の風呂屋 一緒に出ようねって言ったのに 

いつも私が待たされた 洗い髪が芯まで冷えて 】
婆:「風呂屋の中で牛乳でも飲みながらぬくぬく待っとりゃええやん」

伜:「大体女のほうが長風呂やしな」

おっさん:「・・・」


あずさ2号

【 ♪ 明日私は旅に出ます あなたの知らない人とふたりで 】

【 ♪ こんな形で終わることしかできない私を許して下さい 】
伜:「勝手な話や」

婆:「なあ、ほんで次回はまたこのあなたの知らない人とやらとは違う男と旅に出るってか」

おっさん:「・・・」

 

【 ♪ 目を閉じて何も見えず 】

婆・伜:「当たり前やろ」

おっさん:「・・・」

 

 


結局、おっさんの

「あんたらが二人揃うと情緒もへったくれもあったもんやないわ」

という呟きと共に、夜は更けていったのであった。

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やりとり

ここんとこ毎日、もさーっとした顔で起きてくる伜と

「平尾はまだか」

「うむ、まだみたいや」

という変な朝の挨拶が続いていた。

なので昨日は第一報が入った直後つい

【平尾、広島市内で逮捕】

信越方面へツーリング中の奴にメール。

いつもの
【おい生きとるか?】

【気を付けて帰れ】
なメールは無視することも多いのに、

【まじか】

すぐ返信が来たので何だか笑ってしまった。

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集団

先の休日、何度も書いたがいつもの大好きな和食処へ。

おやっさんの急逝で代替わりとなり、すぐそばの商店街内へ移転後は、

「自分の目の行き届く範囲で」
という現大将の意思で、カウンターとテーブル四席、奥に十人余程の小上がり席のみ。

こじんまりした、しかし先代譲りの味と風情を残すお店となった。


が、先日は、暖簾をくぐり店内へ入って吃驚、テーブル・小上がり共満席でやたらざわざわ。
おっさんと二人、一寸まごまごしつつカウンターの隅っこに腰かけランチを頼んだものの、
女の人でいっぱい、落ち着かぬことこの上ない。
よくお会いする古くからの常連らしきおじさまがカウンターの定位置からあたしらを見て、
「今日は、ね」

小さく苦笑された。


多分私とぴったり同年くらいの方々ではないだろうか。
「たまにはこういうとこでの女子会もいいよねえ」

「○○ちゃん、相変わらずお肌きれいやん、どこの使うてんの?」

今さら何が女子や、とは思えど、そのくらいのワイワイガヤガヤだったら特にどうとも思わん。
おのれの性が女であることすら殆ど忘れている私よりうんとすてきだ。


でもさ。
結局、悪口になるんだよな。
今日来られなかった人のこと。
少し外側にいて呼ばなかった人のこと。
お酒が入るとそれが際限なく大声になり、耳の悪い私にもガンガン聴こえてくる。
この人ら、何で他人の事情をこんなに知っているんだろうと怖ろしくなる。
個々人としてはたぶん善良な方々なのであろう。
けれど、お酒を片手に語られる集団のそれは、醜い。

他人への嘲笑まで齎す集団の心のくすみは、どこの化粧品を使ったってきれいにならない。



自身にだって悪いとこはいっぱいあったやろ?

トシ食えばそんなことくらいわかるやろ?

それを、他人に押し付け、他人を槍玉に挙げ、溜飲を下げて、本当に楽しい集まりなのか?





ここは食後の珈琲も美味しく、カフェインを控えてる身にもたまの愉しみになってるんだが、

「おとーさん、もう珈琲いいから出よう」

「そうしよか」
ってことになった。





余談もええとこやけど、私は利き酒日本一に輝いた伯父を持つ酒屋の孫でもあるのだ。
愚痴なら仕方ない、が、悪口に花を咲かせる集団に飲ませる美味い酒などねえよ、とは思う。


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あらま

いやー冬季五輪、興奮しましたな。
次もまた見られるかなあ、とか言い乍ら、次もきっとしゃらり同じ感慨を述べていると思う。



伜は今んとこ転勤もなく家から会社に通う日々だが、本人は出戻りと軽く自嘲しつつも、

まあ元気そうなんで、親としてはどうとも思わずほったらかし、夫婦で好きに過ごしている。

お弁当こそ作ってやってはいても、夜は上司に誘われたり、同僚や旧友と飲みに行ったり、
たまに早く帰って来たときだけ

「おや、ほんなら一緒に食べよか」
食卓を共にする程度。
奴は20代も後半になっておるのだ、いちいちちまちま気にするのもあほらしい。
てか、そんなんあほや。


ってな日々の中感じているのは、そういやこの頃久しく言諍をしていないなあ、ということ。
結局、面倒だからかもしれん。

けれども、お互い、言諍を面倒だと思えるまでには、案外年月を要するものである()



こないだまたひとつトシをくってしまったわけなんだが、その日も体調不良でぐったり。

最低限の家事しかできぬ。
おっさんは会議で遅ぅなるし、晩御飯の下拵えだけやっといてリビングで横になってたら、

「あ、寝とるんか、すまんな」

小さな声と、ガサガサ何かを置く気配、次いでまた玄関の外へ出て行く音がした。
目はすぐに覚めたものの急に起きると倒れるんでそのままぼーっとしていた。

ゆっくり立ち上がりよろよろエプロンをかけようとしたら

「あらま」

テーブルに何やら包みが。
リボンをほどき、きれいな小花柄の包装紙を破らないよう開くと…
「あらま」

枕が現れた。
内装の帯には【あなたの首に心地良くフィット】という文字も。

「あほやなぁ、よけいなお金使わんでもええのに」
ぼそぼそ呟くと同時に
「横になってばっかりの母親やもんなぁ、ごめんしてな」

とか、何だか神妙な心地にもなったりして、それこそ
「あらま」
だな。




その枕は、まだ目で見るだけで愉しんでいる。
せっかくのことなんで、お日柄の良い明後日におろすつもりだ、根拠ねえけど()

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あけましておめでとうございます

どなたさまも良き一年になりますよう!

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師走

直虎、終わってしまいよった。
毎年の事だが大河って世間の評判はともかく何だかんだ一年間ちゃんと見ているわけで、
「ああ今年もほんまに残り僅かなんやなあ」
妙な寂寥感を覚える。

直虎の場合、初めはやたら陰気臭かったけど菅田君の登場以後俄然面白くなってきて、
さあ、これからだ、みたいなところで終わりだった。
後味は悪くないんで、まあ良かったんじゃないかな。
ねこ可愛かったし()

寒さに縮こまっておらず、大掃除もやらんと、の。
あーめんどくさ。

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楽しい土曜日

珍しく頭痛耳鳴り眩暈腹ピーその他諸々の不調が引っ込み、すっきりな朝を迎えた今日。
お弁当作らんでええのに、毎日の習慣でまだ真っ暗な時間に目が覚めてしまうんだけど、
いつもと違い全身カッチコチな強張りもさほど感じることなく布団から出た。

で。
後回しにしていた衣服の繕い物やら釦の補強などしている間におっさんも起きて来、
「おっ、なんか調子よさそやん」
「うん、なんかすごくええんやわ」
忘年会の二日酔いで寝込んでいる伜なんぞ勿論ほかしとくが、二人、手抜きなトーストと、
ホットミルクだけの朝食を食べているうち、
「おとうさん、たまには外に出てちょっと歩こうかな」
何となくそんな気分に。
するとおっさんも
「おう、行こに行こに、俺、股上の浅くない普通のジーパン欲しいねん、ユニクロまでどや?」
と。

「えー、でもいきなりユニクロはさすがに遠いよぅー、2キロくらいあるやん」
「大丈夫大丈夫、きっつうなったら俺がおぶって退き返したる。
 帰りも無理やったら店内で座っとり、俺が一旦戻ってクルマで迎えに来るよってにな」
やたら頼もしいことを言わはるんで、
「じゃあとにかく行ってみる」
みたいな話になり…。

行ってみたら、行けた。
川沿いの道をゆるりゆるり。
すっかり冬ざれた町、でも、てきぱき歩けていた時には気付かなかった風景がそこここに。

ユニクロにては、股上の深さと胴囲だけで最初に見たジーンズを
「これええわ」
さっさと手に取り、決めようとするいい加減なおっさん。
私は、
「おとうさんなぁ、同じ青でもちいとは好きな色合いとか考えてみたらどうなん?」
いちいち口を挟み、ああでもないこうでもないとごちゃごちゃ。
試着したところ、結局おっさんは、最初に選んだのんを購入したわけなんだが、
「こういういい加減なひとだから私なんかにも長年呆れず付き合ってくれてるのかな」
などと思ったりして、ね。


帰りは、カクカク入り組んだ細い裏道を通り、またまた新たなまち発見を楽しみながら歩く。
通りがかった昨今評判のうどん屋さん、おっさんによるといつもの行列がないってことで、
「ラッキー!」
喜びつつ寄ってみたら、評判通り美味しかったー。
私は、やっぱ、美味しいものを食べているときが一番幸せなんかもしれん。
大好きなひとと共に。


なかなかうまくはいかないけれど、少しづつでも丈夫になれるよう励もうと思う。
ちょこちょこささやかでいい、こういう楽しい日を積み重ねてゆきたい。

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可愛いお嫁さんだったわえー

例の如く例によってやっと体調回復、毎度毎度困ったもんだ()



かなり日にちが経ってしまったけれど、姪っ子のお式は荒天ながらも滞りなく行われ、
笑いと大雨に負けぬうれし楽しな大涙に暮れた一日だった。
可愛かった…白無垢・色打掛共とてもよく映えて、叔母の欲目ながら

「見よ! 自慢の姪だ!!」
と、腹の中で繰り返し呟くうちに、年に数回ほどしかしないメイクも呆気なくダダ崩れ()
何より、先の甥の結婚式で初めて会い、好印象を持った旦那さまの温かさに感服した。
式の間中花嫁をさりげなく気遣ってくれ、実は姪よりちょっとばかし年の若い人なんだが、
相手を思う心は男女上下問わず年齢なんて全く関係ねえ、すごく頼もしい旦那さまだ。
御縁があってよかった、この子は今後も絶対幸せになる、と、確信。
同じ年頃の伜など今じゃ旦那さまとすっかり気の合う友人になっておるのであった()



余談ながらずいぶん前に作ったワンピ、ようやく日の目を見ましたです。
http://kisuke234.blog102.fc2.com/blog-entry-180.html

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幸せ

道中よろよろしつつも何とか席に加われた甥っ子の結婚式は、『感極まる』だった。
今どきの若者たちらしくこじんまりしたお式、でも、新郎新婦の温かなまごころが溢れとる。
用心のためハンカチ&ハンドタオルをたくさん持って行ってよかったよぅ。
二人、晴れの場に立った幸せ。

そして、これからは、二人、日常のささやかな幸せを重ねていくのであろう。

うれしくてうれしくてしょうがない。



だが。
ちょっと心配事を抱えていたため、余韻こそ続けど弾む思いは数日後には杉田二郎、
今度は別件であれこれ祈りつつ経過・結果を松山千春。
(
すんまへんなあ、何しろ昔の人間でして… )

毎年起こる夏バテのお腹の不調でホームドクターに診てもらっていたおっさん。
「いつものやつやなぁ、ほんでももう若ぁないんやし、念の為大腸内視鏡検査しとき」
整腸剤と共に、私の掛かっている総合病院への紹介状を渡された。

で、式の十余日前に検査を受けたところ、その場では取れぬでかいポリープが見つかり、
形状も変だってことで、入院・内視鏡的粘膜手術という流れになった。
この辺じゃ最も大きな病院、ベッドの空き待ちで丁度式のすぐ後と決まっていたんだが、
私と違い手術経験のないおっさん、先生から通常二泊三日で済むと言われてはいても、
かなりビビッていた模様()

それは私にしても同様で、自身に起こるこの類の事なんぞもうすっかり慣れちゃってるし、
「あ、そ、軽い軽い、ほんじゃ先生よろしくですぅー」

で済むけど、おっさんにしろ伜にしろ、愛しいひとの身に起こる事はあかん。
やたら不安が募り、胸苦しくなる。
どうせよれよれなクソ婆、できることなら私が肩代わりしたい、引き受けたい。

手術は無事に終わり、予定通り二泊三日で退院。
何日か置いてわかった細胞病理検査結果も、黒に近いがちゃんと取れたのでOKとのこと。

ほっとした。
ほっとしすぎた反動か発熱して先の連休は寝込んでたけど、私は熟幸せ者だと思った。
信仰と言われても普段全くぴんと来ぬ無宗派層()の人間ながら、神仏に感謝した。



さあ、次は姪っ子だ!

甥っ子の式にて初めて会った現彼氏・間もなく旦那はんな青年は、とても純な人。
やっぱりハンカチ&ハンドタオルいっぱい持って臨みますわえ()


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祖母

少し前のお盆のこと。
実家へ行った際、母、姉、二人の姪っ子、うちのおっさん、伜を相手に談笑していた父が、
急に真面目な声で言い出す。
(
私は奥のキッチンで一人勝手に自分用()の紅茶を淹れていた)
「久し振りにきすけを見たらぎょっとしたわ。
 
おばあさんが生き返ってきたのかと思った」

ま、実家に帰れば先ずは仏間にて手を合わせるわけで、鴨居の祖母の遺影を見上げ、
自分でも何となく変な気分になりはしたけどな。
祖母は小柄でなで肩・柳腰な人だったが、私は長身でハンガー肩・腰も薄いが骨っぽい。
なのにこの頃じゃ二人いてる私の叔母たちより濃厚に似てきている。

そこへちょうど帰ってきた兄に挨拶をしたところ、やっぱり
「うわ、きすけ、おばあさんが来たかと思ったぞ」
やて。

若い頃の祖母なら、セピアな写真を見る度
「わー、おばあさん、ものっそ美人さんやん」
と、身内ながら感嘆するんで、よい。
が、祖母は私が生まれたとき既におばあさんだったわけで。
おばあさんな祖母に似ていたってちっともうれしくねえわ()

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叔母

文房具店へ行き、祝儀袋を二つ買ってきた。
今月は甥、来月は姪がめでたく結婚式を挙げるのでござる。
腕に抱き頬擦りしつつあやしたり、おむつを替えたりってことを、我が子より先にした子ら。
二人とも生意気に所帯を持つんやなあ、というしみじみ感が、温かく胸にひろがる。


甥は現在実家から遠くに住んでいるため、式もそちらで行う。
電車での移動ゆえ不安もあるが、這ってでもゆかねばと思っておる。
何を大袈裟な()、おっさんや伜も一緒なんで、たぶんまあ大丈夫であろう。


元は他人やし、寝食を共にすれば戸惑うこともあるやろけど、それも段々楽しくなるよ。

大体、元は他人やのに、自分と一つ所に住もうと思ってくれる相手など、そうそういてへん。


叔母という、一歩外側にいる関係だからこそのいとおしさ。
幸せに幸せに幸せになってな。

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軽口

以前、こんな記事を書いたが、
http://kisuke234.blog102.fc2.com/blog-entry-647.html
近頃は、
「よっこい庄一」
などと言う。
おやじギャグもいいとこ、特に世間が大戦回顧一色の八月にそんな軽口は不謹慎であろう。

が、そんな気持に逆らい、つい反射的にふいてしまう私。
おっさんになりかけな奴であっても、製造責任者はおのれなのだなあ、と、つくづく思う。

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